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ちゃんとしたカメラを買って写真を撮り始めたい。しかし、カメラやレンズの値段が高すぎて、ためらってしまう

こういった場合の「ちゃんとしたカメラ」はフルサイズのイメージセンサーを採用した機種をイメージしていると思います。「フルサイズのイメージセンサー」がわからない人は、「ボディーだけで20万円、30万円するカメラ」とお考えください。

10数年前ならば、こういった値段のカメラも必要だったかもしれません。しかし、デジタル部品は著しく進化しています。カメラに採用される部品も例外ではありません。大判ポスター用の写真でも撮らない限り必要ありません。

一回り小さいAPS-Cのイメージセンサーを採用し、値段は10万円代前半の機種で十分です。もし、初めて本格的なカメラを買うのならば、そのレベルの機種で、しかも、2、3モデル前の中古がおすすめです。半分ぐらいの値段で手に入ります。

カメラは2年程度で同じ機種の新モデルが出ます。「2、3モデル前」といっても、4、5年前には最新だった機種です。カメラの紹介をする雑誌やサイトをチェックすると、まず間違いなく「新モデルではここが良くなった」などと紹介されているでしょう。しかし、その違いは撮った画像を何倍にも拡大し、あるかないかの差を強調したものです。おそらくは、肉眼で見たらほとんどの人は、違いには気が付かないはずです。

関連する記事:『「APS-C機やその中古でも十分」とバレると、カメラメーカーには死活問題』
そもそも、「写真がうまい・へた」がどういうことかわからない。写真がうまくなることのメリットもわからない

かつては多くの人が見る写真は、プロや多少は心得のある人が撮ったものでした。新聞・雑誌などとメディアが限られていたせいです。

しかし、今はTwitterなどのSNSに代表されるように、だれでもが撮った写真を簡単に公表できます。その分、雑に撮った写真を目にするのが普通になりました。

SNSなどのように、2、3日間だけ人目に触れればいい写真ならば、これでもいいかもしれません。

雑に撮った写真は長い時間見ていることができません。たとえば、水平線が傾いていると、見る人は不安になります。ただ、「傾いている」とは、その人は気がついていないかもしれません。それでも目線を外すでしょう。ネットなどに投稿された写真ならば、そのサイトからも立ち去ってしまうかもしれません。

多くのサイトは、「少しでも長く読んでもらえるように。ほかのページも読んでもらえるように」と工夫がされているはずです。「SEO対策」の名前でシステマティックに工夫されている場合もあります。

へたな写真、雑な写真はSEO対策の足を引っ張ります。

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仕事相手から「ちゃんとしたカメラで撮ってください」と言われる。だけど、なぜスマホじゃダメかわからない

「中途半端にデジイチ(デジタル一眼レフ)を使うよりも、スマホの方がきれいに撮れる。失敗も少ない」と信じている人もよく見かけます。確かに、間違いとは言い切れません。ただ、スマホできれいに撮れるのは、内蔵カメラの基本的な性能が高いおかげではありません。

そもそも、「あんなに狭苦しいところに部品を詰め込み、それ専門でもないカメラが高性能だったらおかしい」と思いませんか?

スマホの写真がきれいな最大の理由は、シャッターを切って記録するまでの間に、コントラストや色調などを強力に補正しているからです。すでに強力に補正された写真をさらに補正すると大きく劣化します。もし、「色がおかしいので、Photoshopで直したい」といっても、限界があります。これが、仕事レベルの写真にはスマホが適さない理由のひとつです。

もうひとつの理由は、「スマホでは露出やピント合わせなど、何から何までオートになっている。オートで間に合うところから外れたら、工夫のしようがない」です。たとえばピントもオートです。スマホの小さい画面では大丈夫そうでも、パソコンのモニターで見ると大きくピンボケしているのは珍しくありません。

もし、自分が発注する側だったらこうも考えそうです。「スマホの写真で間に合わせる人は、まともにカメラや写真と向き合っていない。おそらく、どんなにダメな写真でも自分では気がついていないだろう。そんな人をあてにするわけにはいかない」

関連する記事:『デジイチやミラーレスよりも、スマホの写真がよく見えてしまうわけ』

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※すべて柳本が撮影&レタッチしました